黒澤明監督映画ランキング「私的ベスト5」

『私的おすすめ黒澤映画ベスト5-黒澤は侍映画だけではない』

今回は世間とは異なった視点から、おすすめの黒澤映画を選び、私的黒澤特集ベスト5を組んでみました。まずは世間的な代表作として、

「七人の侍」「用心棒」「椿三十郎」「隠し砦の三悪人」「生きる」「赤ひげ」「天国と地獄」などがあるが、

自分がお薦めしたい作品を挙げると…

お薦め作品(侍映画は少な目)

自分もやはり最初に見たのは「七人の侍」だったのだ。その時の感想は…エンターテイメントとしては文句のつけようのない素晴らしい映画だけど、個人的には、

「詩情溢れる映像にもっと浸りたい」
「人物の内面の葛藤にもっと触れたい」

と思ってしまったのだ。もちろんそういった場面は多々あるのだが、テンポのいいストーリー展開の中で結果的に埋没してしまい、味わいきれずに進んでしまう感じ。

そこで他の作品を夜な夜な見ていくうちに、自分の求める魅力的な黒澤作品に辿り着きました。映画に「詩情」や「人物描写」を求めるのであれば、次の作品がお薦め。

野良犬

サスペンス風のストーリー自体、十分魅力的。だがそれ以上に、「夏のうだるような暑さ」「闇市の猥雑性」が匂い立つように伝わってくる上、「実直な三船、手練れの志村、鉄砲の裏流通界」の交錯における人間描写が滲み、ラストの「対決場面の美しさ」など、映像美を味わい尽くすことが出来る作品。

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羅生門

シンプルで美しい場面構成が特徴的な作品。シンプルな背景によって、結果的に各俳優の演技がクッキリと浮き上がってくるのがこの作品の魅力。さしずめ「三船が動」とすれば、「森雅之は静」「京マチ子は乱」といったところ。個人的には「森雅之」の優雅さと超然とした目線に完全に引き込まれてしまいました。

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酔どれ天使

「どぶ池の前でギターを奏でる、翳りを帯びたヤクザ」「結核でフラつく足でペンキまみれになってヤクザを殴る、意固地な三船」など、印象的な場面と共に、登場人物の人間描写を味わうことができる作品。

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白痴

元々は4時間以上の作品だったのが2時間に縮められたもの。結果的にストーリー展開が優先された感があるが、それでも数多くの詩的な場面描写に溢れている。元の4時間バージョンにはまだまだ多くの魅力的な場面があったのではないかと、非常に気になります。

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蜘蛛の巣城

珍しく気に入ってしまった侍映画。最初から「なんか雰囲気が違うぞ」と思ったら、能をベースに作った静寂さに溢れている。侍映画であるが派手ではなく、シンプルな場面の中で破滅に向かう人物が描かれる好作。

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(次点) 悪い奴ほどよく眠る

廃墟を舞台とした映像美は、モノクロ映像と相まって強烈な印象を残す。ただ、あくまでストーリー展開が中心にあり、人物描写が弱まってしまった印象。復讐に燃える三船の抱く「葛藤」「恐れ」「不条理」をこそ、もっと描いて欲しかった。

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