AIは人間よりもいい曲を作れるのか?②

『AIは人間の壁を超えられない? AI作曲悲観論』

今回は、AIが人間を超える作曲が出来ない理由2つの観点から述べたい。前回は、AIの作曲について楽観的な意見を述べた。蓄積されたデータからパターンを抽出することが得意なAIにとって、人間が好む楽曲パターンを見出すことは容易なはずだ。あとはアルゴリズムの精度を上げていくことで、優れた曲が作られる可能性は高まるだろう。それでも超えられない壁があるとすれば…。 “AIは人間よりもいい曲を作れるのか?②” の続きを読む

映画におけるどんでん返しのパターンとは? 「イミテーション・ゲーム – エニグマと天才数学者の秘密」を見て思う

『映画の番狂わせ展開をもたらすもの』

前回の「生産性」炎上論でたまたま触れた、アラン・チューリング。昨今のAI時代の大元に彼がいたとすれば、彼の仕事はとてつもない「生産性」を内包していたことになる。彼がまたLGBTでもあったことから、社会には様々な形の「生産性」がありうるという話で取り上げたのだった。

そのアラン・チューリングが主人公である「イミテーション・ゲーム」という映画がある。今回はその映画を見て気づいた、映画における番狂わせやどんでん返しのパターンについて、書いてみたい。 “映画におけるどんでん返しのパターンとは? 「イミテーション・ゲーム – エニグマと天才数学者の秘密」を見て思う” の続きを読む

アルフィーと言えば? バート・バカラックの名曲・代表曲をたしなむの巻

『大御所でありながら、渋谷系、ソフトロックなど様々な影響力を持つアーティスト』

きっかけはIkkoさん(お薦めYoutuberで紹介が映画評で「アルフィー」を紹介していたこと。映画は2006年にリメイク版が出ていたのを知ると同時にテーマ曲が聴きたくなり、検索。そこで素晴らしいギター演奏に再会してから、芋づる式にバカラックの曲を聴きまくってしまいました。今回は、大御所でありながら一筋縄ではいかない魅力を持つ彼の曲を、ハマったきっかけと共に紹介したいと思います。 “アルフィーと言えば? バート・バカラックの名曲・代表曲をたしなむの巻” の続きを読む

パンク映画といえば誰? アレックス・コックス3部作を堪能②

『代表作「シド・アンド・ナンシー」、必見カルトムービー「レポマン」、そしてシド・ヴィシャスの使用ベースは?』

アレックス・コックスの魅力とは何か?今回はその魅力の理由を初期の2作品をもとに語りつつ、シド使用のベース、最後に最もお薦めしたいパンクSF映画の「レポマン」を紹介します。

“パンク映画といえば誰? アレックス・コックス3部作を堪能②” の続きを読む

パンク映画といえば誰? アレックス・コックス3部作を堪能①

『シド・アンド・ナンシーで名を馳せ、豪華俳優やミュージシャン達を巻き込んだ監督』

伝説のパンクミュージシャン、シド・ヴィシャスを描いたシド・アンド・ナンシーで注目されたアレックス・コックス。タランティーノの先駆けとも言われる彼自身が、まさに映画界のパンク的存在でもある。

カルト映画のイメージが強いコックスだが、その出演陣は豪華だ。

「ストレート・トゥ・ヘル(1987年)」: デニス・ホッパー(イージー・ライダー)、ジョー・ストラマー(クラッシュ)、エルビス・コステロ、ジム・ジャームッシュ

「シド・アンド・ナンシー(1986年) 」: ゲイリー・オールドマン(2017年アカデミー主演男優賞受賞)

「レポマン (1984年)」: ハリー・ディーン・スタントン(パリ・テキサス)

先鋭的でありながら豪華キャストを集め、まさに見る者をワクワクさせてくれる監督だった。そんな彼の魅力溢れる「パンク映画3部作」。今回は「ストレート・トゥ・ヘル」と、その関連作品を紹介する。 “パンク映画といえば誰? アレックス・コックス3部作を堪能①” の続きを読む

映画音楽といえば誰? ニーノ・ロータをたしなむの巻

『ゴッドファーザーで有名だが、フェリーニ作品には欠かせない作曲家』

前回カンヌ映画祭について書いた際に、巨匠編で紹介したフェリーニ。フェリーニワールドを回想しているうちに、その重要なピースである、ニーノ・ロータの曲を聴かずにはいられなくなり、久々にどんなアルバムが入手可能か探してみた次第。

ゴッドファーザーのテーマにとどまらず、数多くの名曲を残してきたニーノ・ロータ。様々なバージョンがアルバムに残されている中、オリジナルが聴けて、内容的にもこれなら満足というアルバムを紹介します。

映画音楽のアルバムチョイスは慎重にやらなければならない。なぜなら、オリジナルと違うバージョンにがっかりするかもしれないからだ。いきなりサビから始まるアレンジになっていたり、重厚なストリングスが寂しげなギターの響きにかわっていたり…。もちろん別バージョンなりの魅力や楽しみ方はあるだろうが、まずはオリジナルを堪能し尽くすところから始めたいのだ。

そんなわけで今回は、「ゴッドファーザー」「フェリーニ作品」のオリジナルを楽しむならこれ、というアルバムを紹介します。 “映画音楽といえば誰? ニーノ・ロータをたしなむの巻” の続きを読む

是枝裕和監督受賞記念! カンヌ映画祭ってどうよ?②

『タランティーノら個性派も受賞したパルムドール』

多彩な受賞者が特徴のカンヌ・パルムドール。メジャーマイナー問わずの受賞ラインナップは魅力的だ。前回はその中から、「巨匠」に位置づけられる監督とその注目作を紹介した。

今回扱うのは、特に1990年以降目につく「個性派」監督達。タランティーノ、デヴィッド・リンチ、ガス・ヴァン・サント、とその作品を紹介したい。そしてやはり是枝裕和。今作以前にも注目作があるので、最後はその作品を紹介する。 “是枝裕和監督受賞記念! カンヌ映画祭ってどうよ?②” の続きを読む

是枝裕和監督受賞記念! カンヌ映画祭ってどうよ?①

『 パルムドールってすごいの?』

毎年フランスで開催されるカンヌ映画祭は、世界三大映画祭の一つとされる。是枝監督が受賞したのは、その映画祭の最高賞であるパルムドールなのだから、非常に栄誉あるものだといえよう。

ではカンヌ映画祭とは、そもそもどんな特徴があるものなのか?この機会に、改めてパルムドール受賞者を眺めてみると、なるほど魅力溢れる監督達がいるいる!そこで今回は、注目すべきカンヌ受賞監督達が撮ったお薦め作品について、熱く語ってみました。 “是枝裕和監督受賞記念! カンヌ映画祭ってどうよ?①” の続きを読む

黒澤明監督映画ランキング「私的ベスト5」

『私的おすすめ黒澤映画ベスト5-黒澤は侍映画だけではない』

今回は世間とは異なった視点から、おすすめの黒澤映画を選び、私的黒澤特集ベスト5を組んでみました。まずは世間的な代表作として、

「七人の侍」「用心棒」「椿三十郎」「隠し砦の三悪人」「生きる」「赤ひげ」「天国と地獄」などがあるが、

自分がお薦めしたい作品を挙げると… “黒澤明監督映画ランキング「私的ベスト5」” の続きを読む

黒澤明の映画に登場する女性ってどうよ?③

『エンターテイメントか人間描写か』

黒澤映画の話題なのに、あまり侍映画に触れていない。そう、自分は侍映画以外に惹かれているのだ。「用心棒」などはケチのつけようのない作品で、まさに痛快だった。でも「野良犬」の方に惹かれてしまう。

その理由を探るために、黒澤映画をもう一度分類してみよう。 “黒澤明の映画に登場する女性ってどうよ?③” の続きを読む