黒澤明の映画に登場する女性ってどうよ?②

『やはり魅力的な女性も多くいるのだが…』

前回紹介した、

尾形 敏朗「巨人と少年―黒沢明の女性たち」

には、時系列で作品を見渡すと、主人公の成熟と共に女性の描かれ方が変わってゆくという、一つ筋を通した面白い主張がある。

自分は、また異なった見方で考えてみたい。

黒澤の女性タイプ

ここで、黒澤映画に登場する女性を分類してみようと思う。

〈ネガティブな役が目立つ作品〉
羅生門
白痴
どん底
悪い奴ほどよく眠る
蜘蛛の巣城

〈ポジティブな役が目立つ作品〉
わが青春に悔いなし
静かなる決闘
醜聞
隠し砦の三悪人

作品数だけ並べるとポジティブな女性も多く登場することになる。だが、「わが青春」はGHQのプロパガンダ込みの作品だし、「隠し砦」の姫は、強い女としてストーリー展開に寄与するものの、その内面までしっかりと描かれているわけではない。

個人的に女性の描き方として惹かれたのは、「静かなる決闘」「醜聞」の2作品で、それぞれ「やさぐれた看護婦」と「結核の少女」が印象的でした。

つまり、準主役ではなく脇役の女性だ。ここでのポイントは、脇役ゆえにストーリー展開に直接寄与しないということ。そんな役だからこそ、逆に内面の魅力が滲み出てくるのではないか。

その理由については、次回の③でまとめたいと思います。

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———なんとタイムリーなことに、三船敏郎をフィーチャーした映画

『MIFUNE: THE LAST SAMURAI』

が5/12(土)から公開されます!

  1. ここでは黒澤映画の女性について書きましたが、三船敏郎の魅力についてもいずれ書きたいと思います。トレーラーを見るだけでも、グッと惹かれるものがありますから、興味ある人は是非チェックを。

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