80年代ソングとシティポップのルーツとは?②

『モータウン、甘く危険なメジャーナインスコード』

今回はまず、80年代前半にイギリスで流行ったニューロマンティクスのアーチストに注目する。前回取り上げたカルチャークラブも含め、ビジュアル面で注目されがちだが、そのルーツを探ると、モータウンなどR&Bの影響が色濃いことがわかる。

そして後半は、ニューロマのアーティストでもあるスパンダーバレエの名曲「トゥルー」を取り上げる。あの印象的なイントロのギターフレーズも含め、この曲特有の魅力はどこから来るのか、山下達郎と比較しながら探っていきたい。

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80年代ソングとシティポップのルーツとは?①

『ベースラインからそのルーツを探る』

当ブログで度々取り上げた竹内まりやの「プラスティックラブ」。今回はその印象的なベースラインに注目しつつ、ルーツを探ってみることにした。するとやはり、R&Bやソウルに辿り着く。振り返れば、80年代のヒットソングの多くは、モータウンやファンクなどR&Bの影響を受けているのだ。

R&Bで面白いのは、その印象的なサウンドが、共有財産であるが如く皆にシェアされ、継承されていくこと。その結果、それが太い鉱脈の如く、後の音楽シーンに引き継がれていく。今回は80年代ソングのベースラインを通じて、R&Bやソウルのヒットソングへの影響力を探っていきたい。 “80年代ソングとシティポップのルーツとは?①” の続きを読む

時間の多層性とは? ポップソングにおける時間体験を分析してみる①

『いま・ここの時間、リニアな流れの時間』

時間とは不思議なものだ。なぜこんなことを言い出すのかというと、以前の投稿でシティポップに感じる「不思議なノスタルジー」について書いたことが、きっかけだ。海外のリスナーが、2019年の今、1970年代や80年代の日本の音楽を、「懐かしさ」と「新鮮さ」がないまぜになった独特の感覚で聴いている。「過去と現在と未来」が交錯する時間。そんな時間体験を、ポップソングを通じて分析してみることにした。

ところで久々の投稿になってしまった。今回は、以前のコメントのリクエストにお応えする内容となっています。 “時間の多層性とは? ポップソングにおける時間体験を分析してみる①” の続きを読む

竹内まりや「Plastic Love」削除(続報!)

『Plastic Loveが公式でyoutubeに復活!?』

前回の記事では、竹内まりや「Plastic Love」のyoutube動画において、「再アップロード→再削除」の不毛な状況が起きていることを書いた。求められる対応として、ダウンロード販売開始や、vevoなどの公式アップロードを提示した矢先、なんとついにvevoから公式アップロードされたようなのだ。今回はその動画を紹介しつつ、他の注目動画も紹介したい。 “竹内まりや「Plastic Love」削除(続報!)” の続きを読む

竹内まりや「Plastic Love」の削除は誰得なのか?

『2000万再生を誇るシティポップの名曲がyoutubeから削除』

前回の記事でも触れた、竹内まりやのPlastic Loveが削除されてしまった。著作権を鑑みれば当然とも言える措置だが、どうも納得がいかない。というのもアーティスト、レコード会社、そしてリスナーの誰も得しないと思われるからだ。vevo等の様にyoutubeへのofficialアップロードが増える昨今の状況で、今回の削除に果たして前向きな意味があるのか、検討してみたい。 “竹内まりや「Plastic Love」の削除は誰得なのか?” の続きを読む

シティポップはなぜ海外でウケるのか? …人気の理由に迫る②

『不思議なノスタルジーと憧憬』

前回は海外でシティポップの人気が出ている理由として、体験したことのない出来事への「不思議なノスタルジー」を挙げた。海外の多くのリスナーにとって、80年代の日本は未体験だからだ。今回は「不思議なノスタルジー」をさらに分析して、その正体に迫りたい。 “シティポップはなぜ海外でウケるのか? …人気の理由に迫る②” の続きを読む

シティポップはなぜ海外でウケるのか? …人気の理由に迫る①

『知らない時代へのノスタルジー』

シティポップ(日本の80年代ポップス)が海外でリバイバルしている。勿論チャート上位にランクインする訳ではないが、youtubeでの再生数などを見る限り、40年もの時を経て新リスナーを相当数、しかも海外で獲得しているとは驚きである。今回は、このシティポップ現象がなぜ起こったのか、その理由について考えてみたい。
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