パンク映画といえば誰? アレックス・コックス3部作を堪能①

『シド・アンド・ナンシーで名を馳せ、豪華俳優やミュージシャン達を巻き込んだ監督』

伝説のパンクミュージシャン、シド・ヴィシャスを描いたシド・アンド・ナンシーで注目されたアレックス・コックス。タランティーノの先駆けとも言われる彼自身が、まさに映画界のパンク的存在でもある。

カルト映画のイメージが強いコックスだが、その出演陣は豪華だ。

「ストレート・トゥ・ヘル(1987年)」: デニス・ホッパー(イージー・ライダー)、ジョー・ストラマー(クラッシュ)、エルビス・コステロ、ジム・ジャームッシュ

「シド・アンド・ナンシー(1986年) 」: ゲイリー・オールドマン(2017年アカデミー主演男優賞受賞)

「レポマン (1984年)」: ハリー・ディーン・スタントン(パリ・テキサス)

先鋭的でありながら豪華キャストを集め、まさに見る者をワクワクさせてくれる監督だった。そんな彼の魅力溢れる「パンク映画3部作」。今回は「ストレート・トゥ・ヘル」と、その関連作品を紹介する。

①ストレート・トゥ・ヘル(1987年)

まずは、ミュージシャンから俳優まで、尖った豪華キャストに驚かされる。そんな彼らが、西部劇をモチーフにしたブラックコメディを演じるのだから堪らない。映画全体としても、そのハチャメチャ感を楽しめるが、俳優達がワンシーンごとに醸し出す存在感に注目したい。

例えば、クラッシュのジョー・ストラマー。冒頭で、おもむろに一斗缶のガソリンを櫛に垂らし始め、そのまま頭になでつける。そしていつものリーゼントを完成させるシーンに、痺れてしまった。これって「荒野の七人」でユル・ブリンナーが、ブーツの裏でマッチに火をつけタバコを吸うシーンに似ている。冒頭で観客の心を鷲掴みにしてしまう、あの感じだ。

そして、何かオーラが強い女が出ていると思ったら、後にカート・コバーンの奥さんになるコートニー・ラブだった。やはり、デニス・ホッパーにしても、ジム・ジャームッシュにしても、出てくる瞬間に独特の存在感でオーラを放っているのが面白い。

また、サウンドトラックではポーグスの曲を中心にジョー・ストラマーの曲も楽しめる。クラッシュとはまた異なる、よりシンプルでストレートな曲は、肩の力が程よく抜けて心地よい

「ストレート・トゥ・ヘル」は映画ファンも音楽ファンも、色々な楽しみ方が出来る作品なのだ。

・関連作品

「イージー・ライダー」(1969年)

デニス・ホッパーが監督・出演。俳優歴は長かったが、この作品で自ら監督を務め、カンヌで新人監督賞を受賞している。何しろ1969年である。バイクで疾走するヒッピーの映像が象徴的だ。そして結末…ストレート・トゥ・ヘルの結末はこの映画の(不真面目だが愛を込めた)オマージュだといえるかもしれない。

・画像をクリック→映画の予告編が試聴できます。

「Born To Be Wild」(ステッペンウルフ)

あまりにも有名なイージー・ライダーの代名詞的な曲。CMなどで一度は聴いたことがあろう作品だ。この曲を聴くと、バイクにまたがり疾走する髭面のヒッピーの姿が、条件反射のように思い浮かぶ。そして暫く頭から離れなってしまうのだが、それもまたこの曲が名曲である所以だろう。

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