緊急投稿: ギターはギブソン派?フェンダー派?②

『魅力的なギターとそれを奏でるアーティスト達を紹介』

今回は、ジャズマスター、ジャガー、ムスタング、そしてギブソンの代名詞であるレスポールを紹介。

③ジャズマスター

自分が最も好きなジャズマスター。1番の理由は、やはりそのサウンドだ。サステインのない硬い音、フロントピックアップのこもった音、いまいち使い所が微妙なプリセット音など、一見マイナス要素ばかりが挙がってくる。さらに、自由度の少ないアームや弦落ちするブリッジなど、使い勝手も良くないときた。

だが一度弾き始めると、その独特な音に魅せられ、いつの間にか時間が立ってしまう。そんなギターなのだ。単音弾きでも音色に独特の存在感があるし、コードをかき鳴らしてもそのサステインの少なさが、逆に味を生み出している。

そしてその見た目が魅力的である点は、多くの人々の間で意見が一致するところだろう。ストラトとは違う独特の丸みと、ソープバーと呼ばれるピックアップの存在感。音だけではなく見た目にも惹きつけられてしまうのだ。

語っているときりがないので、ここで曲を紹介したい。

Sonic Youth 「Incinerate」
Guitar : Thurston Moore

Incinerate
ソニック・ユース
2006/06/13 ¥250

Sonic Youthといえば、ギターをノイズ楽器の様に使った独特の曲も魅力的なのだが、ここでは敢えて、シンプルな音作りによる疾走感のある曲を紹介する。

イントロは、ジャズマスターらしい粘り気がある低音弦と、独特の温かみがある単音のフレーズから始まる。飾り気のないシンプルなフレーズだが、その疾走感に引き込まれ、いつの間にか聴き続けている自分に気づく。それはやはり、ジャズマスター特有の味わいある音色がもたらすものだろう。

また、掻き鳴らされるコードにはサステインがない。だが、2本のギターを重ねることで、繊細なリバーブ感が生まれている点にも注目したい。

途中の歪ませたソロフレーズもまた、ジャズマスターのフロントピックアップが生むこもったサウンドで、独特な中毒性がある…など、挙げればその魅力は尽きない。

ジャズマスターは弾いていても、聴いていても、そして見ていても、その個性的な魅力に引き込まれてしまう、そんな楽器なのだ。

④ジャガー

ジャガーは、まずその見た目が個性的だ。何やらスイッチがいっぱいあってメカニックな感じがする。音はどうかというと、ショートスケールによるサステインのなさと、シングルコイルの硬い音から、シャリっとしたリズムサウンドが思い浮かぶ。

とはいえ音作りによって様々なサウンドになるのは、実際に使用しているアーティスト達の曲を聞けば分かる。

まずはColdplayから。

Coldplay 「Shiver」
Guitar : Jonny Buckland

Shiver
コールドプレイ
2000/07/10 ¥250

どちらかと言えば、デジタライズされたサウンドの印象があるColdplayだが、初期は所謂ギターバンド的な音作りが多く、この曲もその一つ。単音フレーズのピッチが不安定なのが、独特な浮遊感を生み出している。これは初期の代表曲「Yellow」のフレーズにも当てはまるもので、ジャガー独特のテンションの緩さが生み出すものと言えよう。

次はレッチリ。

Red Hot Chilipeppers 「Can’t Stop」
Guitar : John Frusciante

Can’t Stop
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ
2002/07/09 ¥250

(↑音符アイコンをクリック→イントロのカッティングサウンドが聴けるMVサンプルが視聴出来ます。)

ギターカッティングの練習曲としてよく挙げられる代表曲。弦を跨ぐためミュートが難しいのだが、弾けた時の気持ち良さは格別だ。ただ、PVを見るとストラトとジャガーの両方を使っており、実際のレコーディングではどちらが使われたのか不明だ。(ライブでは基本的にストラトを使用している。)

ジャガーはショートスケールなので、この曲をストラトで上手く弾けなければ、ジャガーで弾いてみるといいかもしれない。まだジャガーに触ったことがない人は試してみてはどうだろうか。

⑤ムスタング

ムスタングもジャガー同様にショートスケールだ。フロントとリアの音をミックスしたりイコライジングするためのスイッチが2つあるのも特徴だ。テレキャスター同様にボーカリストがリズムギターとして掻き鳴らす印象があるが、その音作りによってはかなり破天荒な音も出せる(例えばSonic Youth)のでナメてはいけない。

今回紹介するのはBlur。

Blur 「Beetlebum」
Guitar : Graham Coxon

Beetlebum
ブラー
1997/01/20 ¥250

イントロのこもったリズムギターは、ショートスケールによるテンションの低いムスタングらしいサウンド。Graham Coxonはテレキャスターも多用しているが、敢えてムスタングらしさを感じさせるこの曲を紹介した。

(番外編) レスポール

そもそも今回の投稿をしたきっかけであるギブソン。その代表的なギターであるレスポールを、最後に紹介しようと思う。

レスポールと言えば、ハムバッカーによるパワフルなサウンド。そのためヘビーメタルで使用されている印象も強いが、実際は多様な音作りが可能な万能タイプのモデルと言える。

ここでは敢えて、自分の好きなオルタナティブ系のアーティストが使用している例を挙げたい。

Pixies「Monkey Gone To Heaven」
Guitar : Joey Santiago

Monkey Gone to Heaven
Pixies
1989/03/20 ¥250

シュアなベースやドラムに、シンプルだが暴れ気味のギターサウンドが絡むのがPixiesの魅力だ。ピッチの不安定な汚い音作りのギターは、およそレスポールの典型的なサウンドとは言い難い。こんな音も出せるレスポールはやはり、多様な音作りが出来る魅力的なギターだ。

因みにボーカルのブラック・フランシスはムスタングの印象が強いが、この曲のPVを見るとテレキャスターフォルムのギターを使用している。しかもフロントがハムバッカーである模様。なので今回はJoey Santiagoをレスポールギタリストとして紹介した。

以上、今回の投稿によって、デジタライズサウンドが流行る中、ギターには生のサウンドの魅力があることが伝われば幸いだ。

頑張れフェンダー!頑張れギブソン!

 

お気軽にコメントを↓

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください